契約書や社内規程等のリーガルチェックは大事です!
会社で使っている契約書や会社の就業規則等の規程など、会社で使用する書類は様々ありますが、これらについて、きちんと詳細を確認していますか?
中小企業などでは、取引先が出してきた契約書をそのまま使用したり、定型のものをそのまま使用しているだけという会社も少なくないのではないでしょうか。
しかし、契約書や就業規則等をしっかりリーガルチェックしておかないと、思わぬトラブルとなりかねません。
たとえば、新たな取引先と業務委託契約書を取り交わしたものの、契約書の内容が抽象的だったり文言が多義的だったりすることがあります。
① 「業務」の範囲が特定されておらず、両者間で認識にずれがあると、実際に委託業務を始めてから、トラブルとなりかねません。また、契約当初は両者間で認識が一致していたものの、月日が経ち担当者が変わっていく間にいつの間にか認識にずれが生じてきたり、関連業務が拡大していって気が付くと広範囲な業務をすることになっていたりということもあるでしょう。
そのようなときに契約書で「業務」の範囲を可能な限り特定してあれば、過大・過小な業務の要求を拒んだり、過大・過小な実態を正したり、新たな業務範囲に基づいて代金を改定したりといった方策を取ることもできるでしょう。
② 契約書の内容が、自社にとって不利な内容となっている場合があります。
平時のときは特に問題なくても、いざトラブルが発生した段階で改めて契約書を確認してみたら、自社にとって不利な内容だったということがありえます。
たとえば、商品が当事者双方の責めに帰すべき事由によらずに滅失した場合に代金を支払う必要があるかという「危険の移転」時期の基準とされる「引渡し」について、どの時点で引渡しが完了したといえるかは、契約書で明確化しておく必要があります。この引渡しの完了について、納品時、検品確認時などいくつか考えられる時点がありますが、この点だけをいえば、買主にとっては、遅いほど有利といえるでしょう。
その他にも、損害賠償の範囲が限定されていたり反対に拡大されていたり、又は賠償額の予定がなされていたりといったこともあります。
また、賃金体系については、まずどのような制度設計をするか事前にしっかりと検討しておくことが肝要といえますが、それにとどまらず、設計したとおりに就業規則・賃金規程に反映されていることも重要となります。
たとえば、業務手当をみなし残業手当を支給することにしていたとしても、賃金規程に適切に規定しておかないと、残業代請求をされた際、裁判所でみなし残業代と認定されない可能性もあります。そうすると、予想外に多額の支払いをしなければならないことになり、経営上のリスクとなります。
契約書や就業規則の規程などの中には、上記のように、いざというときにしか顕在化しない条項が含まれていますが、平時には問題が生じないことから、どうしてもチェックや対策が後回しになってしまいがちです。
手遅れになってしまわないよう、リーガルチェックをしておくことをお勧めします。